一度は新卒で就職したものの、なにかの理由で離職してしまって以来、正社員にならずアルバイトやパート、派遣などの「非正規雇用」で働く人のことを「第二新卒フリーター」と言います。
この記事を読んでいる第二新卒の方は、再就職までの期間でフリーターとして働きたいものの「同時並行することで転職が不利になるのではないか」と悩まれているのでは?
今回は、第二新卒フリーターの再就職を有利にする方法についてお話しします。
第二新卒がフリーターをしながら転職活動をするメリット・デメリット
在職中ではなく退職後に転職活動をはじめる場合、当然その期間中の生活費を確保する手段が必要になります。転職活動中は実家に戻る、仕送りなどの支援を受けるといった選択肢もありますが、一度社会に出たからこそ、両親に助けを求めること自体に抵抗を感じる第二新卒の方は多いでしょう。
実際、転職期間中の収入を得るためにフリーターとなる第二新卒の方は少なくありません。
その上で転職活動を成功させるには、「転職活動中にフリーターとなる」ことのメリット・デメリットを正しく理解し、しっかりと企業にアピールできるポイントを心得ておくことが大切です。
第二新卒がフリーターとして働くデメリット
- 転職活動のための時間が削られる
- 面接や書類の振り返りをする余裕が持てない
- 再就職へのモチベーション維持が難しい
- シフトと面接の調整に悩むケースもある
第二新卒がフリーターとして働く一番のデメリットは、転職活動に充てる時間が削られてしまうことでしょう。
生活のために働いている以上、本来なら転職活動において最優先であるはずの面接がシフトと天秤にかけられる場面も発生してしまうはずです。
特に”短期戦”として再就職に挑まれている方にとっては、これらのデメリットが転職活動に大きな影響を与える可能性があります。
第二新卒がフリーターとして働くメリット
- 空白期間が発生しない
- 経験面で他の第二新卒に勝てる
- 社会人の生活リズムをキープできる
- 収入とスキルの取得を両立できる
先にご紹介したデメリットに対して、メリット面では自己研鑽に関わる項目が目立ちます。
「よりよい企業への就職を目指す」「スキルアップして希望の職種を目指す」といったスタンスで転職活動に臨まれている第二新卒の方にとっては、フリーターとしての経験がメリットに転じることもあります。
また、転職活動が思うように進まず悩んでいる第二新卒の方にとっても、フリーター経験は新しい選択肢のひとつになり得るのではないでしょうか。
実はこの”第二新卒フリーター”、企業側のニーズも決して低くありません。
第二新卒フリーターが正社員を目指すとき有利になる条件とは?
現在の就職市場は、求職者に有利な売り手市場であり、第二新卒というポジションはその中でも注目度が高い人材です。
まず、新卒に比べて第二新卒は一度就職しているので、社会における基本的なマナーを身に着けているという点で非常に有利です。
その上、1社目の就業期間が比較的短いためにまだ「特定の会社の色」に染まっておらず、自社の生え抜きとして育成できる可能性も大きく残っています。
つまり、新卒よりも経験豊富で、新卒並にポテンシャルを秘めた人材。それが「第二新卒」なのです。
さらに第二新卒フリーターとなれば、一般の第二新卒が持っていない経験も持っていますのでそれを上手くアピールできれば周りを出し抜けるでしょう。
ここからは、第二新卒フリーターだからこそできる面接対策についてお話していきます。
「第二新卒フリーター」としての価値を上手に伝える面接対策とは
第二新卒フリーターに対する需要があるとは言っても、一般的に「フリーター」という言葉は受け手によってさまざまな印象を抱かせます。
特に、この言葉が生まれたバブル期に働き盛りだった50代以上の世代だと、再就職の意志がある上でフリーターを選択する理由は想像しにくいものです。
“なぜ”フリーター期間があり、その時あなたが“なに”を考えて日々生活していたかがわからないのです。だからこそ、あなたが自分から積極的に情報を与える姿勢が必要になります。
第二新卒フリーターになった経緯を丁寧に伝える
あなた自身も、詳しい説明をする気のない人が「フリーターやってます」という言葉だけ投げてくると、毎日をなんとなく過ごしている人…という印象を抱きますよね。しかし、あなたが第二新卒フリーターを選択した理由は、“なんとなく”ではないはず。
新卒で入社した会社で嫌なことがあったり、体調を崩してしまったり、または夢を追いかけた結果として第二新卒フリーターを選んだのではないでしょうか。
この点は出来るだけ端折らずに、かつ丁寧に伝える姿勢を必ずみせましょう。これが(簡単なようで難しい)第一歩です。
“よい印象”を与える伝え方を考えておく
第二新卒フリーターとなった経緯を伝える際は、その内容をプラスのイメージに転換しましょう。
体調問題などで仕方なく第二新卒フリーターを選択した方は、それでも働きたいという「就業意欲」をアピールすることができますし、夢を追いかけて第二新卒フリーターになった方はその情熱をアピールできます。
話す順番によって話の印象を変えられることも意識しておきましょう。例えば前職を人間関係の拗れで退職していたとして、その退職理由を簡潔に伝えただけでは、初対面の方は「うちに入社しても大丈夫かな?」と不安に思うはずです。
しかし、今フリーターとして働いている環境でチームワークを大事に頑張れている事を先に話してあれば、退職理由で余計な心配をさせることもありませんよね。“今”の情報で退職理由の聞こえ方をカバーできる点は、第二新卒フリーターの大きな強みです。
実際に経験したことは必ず”具体的”に話す
フリーターとして仕事をしていた中でも誇れることがあるはずです。
バイトリーダーとして皆を牽引した、他業種の実情を見て学んできたなど、一般の第二新卒とは差別化できるポイントを探してみましょう。
経験について話す際に意識して頂きたいポイントは“結果”と“今後のビジョン”です。
「バイトリーダーとして皆を牽引した」ことを話せば、あなたの人柄はしっかり伝わります。しかし、あなたの行動によってどのような結果がもたらされたかを具体的に話せないと、企業が第二新卒フリーターに求める“新卒からの成長”がアピールできません。
もし明確な結果(数字や変化)がなかったとしたら、転職を希望する企業に対して、これまでの経験を生かしてどのように貢献できるのか?という、“今後のビジョン”を考えてみましょう。
「話せることがない…」と感じた第二新卒フリーターは…
再就職への意欲があっても、転職活動が上手くいっていない時は自分のアピールポイントがわからなくなりますよね。これは第二新卒全員が共通して抱く悩みです。
しかし、第二新卒フリーターは「今一緒に働いている人」にアドバイスがもらえる環境に居ます。家族や友人、昔の同期などよりも一番リアルタイムで自分の評価をしてくれる存在です。「明るい性格」という抽象的な評価よりも、社会人目線の評価を共有してくれるはず。自分のアピールポイントに悩んだ時は、フリーターとして働く自分を近くで見てくれている人に意見を求めてみましょう。
まとめ
「第二新卒フリーター」という選択は現状をさらに追い詰めるのではないか、と不安に思う方は非常に多いと思います。働きながら再就職となると確かに大変ですが、むしろ転職を有利に進めるきっかけとなる可能性があります。
どんな状況であれ、自分の経験や強みをきちんと理解し、転職活動を優位に進められるように参考にしてみてくださいね。